ノリタケ製品の9割を作るスリランカの工場に潜入!

日本を代表する高級陶磁器ブランド「ノリタケ」。

その製品の約9割を作っている工場は、なんとスリランカにあるのをご存じだろうか?

 

世界トップレベルのブランドとして名をとどろかせており、日本で生産していると思っていた方も多いだろう。

しかし、本ブランドを展開するノリタケ・カンパニーリミテッド株式会社では、43年前にスリランカに工場を作り、今では世界に出回る製品のほとんどをここで作っているのだ。

 

その事実を知ってぜひその現場を見てみたいと思い、急きょ工場の場所を調べ、地元の人に聞きながら自分で行ってみた。

 

キャンディという島の中央部にある町からローカルバスに乗り1時間弱、周囲には森林が生い茂る自然溢れる田舎に工場はあった。

NORITAKE LANKA PORCELAIN (PVT) LTD

NORITAKE LANKA PORCELAIN (PVT) LTD

 

現地法人NORITAKE LANKA PORCELAIN (PVT) LTDの入り口

NORITAKE LANKA PORCELAIN (PVT) LTD

 

警備室にて今回の目的や自分の気持ちをその場で手紙に書いて渡していただいたところ、幸運にも日本人駐在員の方が来てくださり、工場の見学をさせていただけることになった。

ただし、工場内の写真は非公開。

 

なので今回は説明を聞く中で印象的だった事柄を4つに絞って文章で紹介する。

 

43年間続けてきた歴史

海外に生産拠点を設ける計画をしていた際、スリランカ政府も輸出産業誘致の一つとして磁器製造工場の設立を計画していた。
そこで現地調査を実施したところ、良質な主原料をスリランカ国内で調達できる事がわかり、合弁事業として工場を作ったのが始まり。

合弁事業である事による外部からの干渉や2009年まで続いた約26年間の内戦など、決して平坦な道のりではなかっただろう。
しかし、(一時的に日本人駐在員だけコロンボに避難したことはあるが)これまで一度も操業を止めたことはないそうだ。

 

難しい状況の中でも事業を継続する事ができた理由として、

  • 「国民の勤勉さや手先の器用さなど他の国に比べた優位性があり、高品位な製品を比較的安いコストで継続的に製造できる」という競争力は確かにあります。
  • しかしそれ以上に、「日本からの駐在員の派遣やスリランカから日本への研修生の受け入れ、その交流によるお互いの信頼関係の構築」「厳しい時代も操業を続けている事に対してスリランカという国全体がノリタケに好意を持ってくれていること」が実は大きいように思えます。

とのことだ。

確かに、当時はもちろん、今に至るまでも「Made in Sri Lanka」を冠している世界的なブランド品はほとんどなく、「Noritake」はスリランカが誇るブランドとしての地位も確立している。
また、実際にスリランカ政府とも親交が深く、過去3度にわたって同国の外国人に贈られるものとしては最高位のラトナ勲章が授与されている。

歴史を作る大変さと、その価値の大きさを再認識させられた。

 

進む現地化

従業員数はすでに1,200人を超え、日本人駐在員8人を除けばほぼ全員スリランカ人である。

スリランカにおいてもITや金融関係が人気の業界であり、地道に製造業に取り組むというキャリアはあまり人気とは言えないそうだ。
そのような状況で、自分達の作っている製品が世界一流の物として認知されているという誇りがモチベーションの維持に役立っているのは間違いない。

 

しかし、それだけでは限界があり、

「経営の現地化を進め、それぞれの職務においてキャリアパスが見えるように工夫すること」に取り組んでいるそうだ。
実際、幹部社員にもスリランカ人が複数登用されており、 「工場の操業には日本人がいなくても十分にやっていける。」とのことだ。

「現地化」はやはりキーワードである。

 

品質維持のための取り組み

工場では日本のお家芸である5S活動やISOを徹底して行い、日本と同レベルの取り組みをしているそうだ。
その成果か工場内は非常に整理整頓されていた。

また、機械化できるところはするが、特に装飾は基本的に手作業となる。
見ていて気が遠くなりそうな細かい作業なのだが、数か月で習得できるそうで、どんどん担当する商品の難易度を上げていくそうだ。

 

それでも不良品が出ないように検査は欠かさない。
土をこねるところから完成までの間に日本と同じレベルで、日本と同じ回数である約10回行う。
さらに驚いたのは、 日本向け商品は通常の検査後にさらに日本用の特別検査を行うとのこと。

日本が求める品質基準は世界最高のようだ。

 

日本人の役割とは?

「期待値が日本ほどではなくても元々高い。その期待値を超える製品を出し続けることが日本人駐在員の役割」という。

少しずつ時間をかけて製造移管を行い、現在では日本と遜色のないレベルに達している。
しかし、「スリランカの一般水準からするとそのレベルははるかに高く、そのギャップを埋めるためにはまだ日本人が必要」なのだそうだ。
日本人の介入がないとどうしてもマジョリティの意識に流されて、品質が落ちる可能性があるという。

「工場の操業はできても、最高品質を保ち続けるには日本人がやはり必要」なのである。

 

 

いかがでしたでしょうか。

約1,200人の雇用を生み、日本だけでなくスリランカにおいても自国を代表する高級ブランドとして地元密着の一貫した経営をされてきたことに大変驚かされた。
現在海外進出している企業の中でも、現地で40年以上の歴史を持つ企業は相当少ないだろう。
そして、日本人の価値を発揮させつつも徐々に現地化を進めていく過程は多くのグローバル企業の先行事例となりうる。

今後の進化にも目が離せない。

 

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