アンケート調査の裏側

ブラジル滞在を始めてから1か月程が経ち、「海外から見た日本」に興味を抱くようになって本サイトの立ち上げを思い立ったことは以前書いた。
そして、必然的に「外国人から見た日本」について知りたくなったこともあり、ちょうどフェスティバルドジャポンが開催されるタイミングだったので今回のアンケート調査を思い立った。

フェスティバルドジャポンって何??という方はこちら
ここではその過程で分かったことや苦労したことをいくつか書きたい。

【アンケート作成段階】

○内容をどうするか。

「何を聞くか」、「どう聞くか」これはかなり悩んだ。
多くの人が知りたいことは何か?自分が聞きたいことは何か?どんな回答が返ってくるか仮説を立てながら練った。
どうしたらこちらの意図がわかってもらえるか。どれくらいの時間だったら費やしてもらえるか。質問数はどれくらいが適当か。
そして、記入式か選択式か。相手に書いてもらうかこちらが書くか。
意外と考えるべきことが多いことを知った。

○言語の問題

まず、前提として私はポルトガル語が全くできない。
自分だけの力でブラジル人の意見を吸い上げることは不可能である。
そこで、力を貸してくれたのが新聞社でポルトガル語を日本語に翻訳している田中さん。
彼女とはサンパウロでの滞在場所が一緒で、現地の情報を幅広く知っていて活動するうえで最も助けてくれた先輩だった。
アンケートを日本語で作成して、田中さんに翻訳をお願いする。
さらに会場でアンケートをお願いする際のポルトガル語会話集も作成した。
やはり相手の目を見て自分の言葉で伝えなければこちらの熱が伝わらないだろう。
これで言語の問題は最低限解決。

【アンケート実施段階】

○印象

笑顔はマスト。
あと、服装。
少なくとも汚い恰好や変な恰好をしていたら怪しいと判断するのが人。
かといって普通の服装でも印象は薄いし、興味も持ってもらえない。

そこで身の回りにあった使えそうな服ということで、サッカー日本代表Tシャツで挑む。
まあ、この格好でたどたどしいポルトガル語で話しかけられたら、悪い人には見えないかと(笑)

○場所選び

アンケートを取る際におそらく一番重要なこと。
相手の心がフラットになっていて、かつ周辺に迷惑がかからない場所選び。
相手が何かに夢中になっている場合や、人ごみ等の警戒心が高くなる場所はだめ。
すると、適した場所が意外とない。
18万人もの人が来ているのに、ものすごく声をかけづらいのである。
…さてどうしたものか。

フェスティバルドジャポン

 

散々歩き回り、何回かトライしてみる中で徐々にわかってきた。
今回のポイントは「休憩所」「屋台の行列」。
せわしなく人々が動く空間の中で、そこだけ人々が静止しているのである。
人々は基本的にやることはなく、無に近い状態。
そして、一人がアンケートに答えている姿をみんなが見ている。
これが最大の効果で、他の人にも何をやっているかが見えて安心感+興味を持ってもらえる。
一人目に成功するとそこからは立て続けにいけて、後はこなすだけである。

アンケート調査

 

○待ち時間のロスがでかい

アンケートを記入してもらう際の下敷きを3枚しか用意できなかったのが原因。
場所選びがうまくいき、会話集もあるので声をかけるのは容易なのに、下敷きが3枚しかなくて次の人にいけない。
誰かが書き終わるまで自分はひたすら待つことに。
これは改善の余地あり。

アンケート調査

 

○一人より二人、二人より三人

初日はブラジルで知り合ったたかしくんにも協力してもらった。
単純に一人より二人の方が心強いのが最高にありがたかった。
あと、彼の友人がイベントのスタッフをやっていて、その彼がぐいぐい色んな来場者やスタッフ仲間に聞いて協力してくれた。
頼もしい人々に恵まれた。

フェスティバルドジャポン

 

○ブラジル人のオープンマインドにびっくり!

色々考えて挑んだとはいえ、びっくりした結果が。
それは、

アンケート回答率100%!!

一人も断られることがなかった。
しかも、みんな試験の答案を書くかのように一生懸命記入してくれる。
日本だったら「ちょっとそういうのは…」「急いでいるので…」等のお決まりの言葉で逃げられることも普通だろうに。
あと、3分の2くらいの人がメールアドレスも記入。
「メールしてね!」みたいなノリの人が多い。
涙が出るくらいみんなやさしい(涙)

アンケート調査

 

【アンケート集計段階】

○字が読めない!
アンケートを取ったはいいが、これまたポルトガル語で自分にはさっぱりわからない。
またまた田中さん降臨!!もはや神!!(笑)

…ところが神にしてもどうにもならない自体が発生。

それは

字が崩れすぎて読めない!

これは記入式にした最大の弊害だと思う。
日系ブラジル人の方々にも協力してもらい、ほぼ解読したが、一部は現地の人でもわからないレベルでお手上げとなった。

○同じ意図でも言葉が人によって違う

アンケートをまとめるにしても、人によって使う言葉が違い、そのニュアンスを汲み取るのが大変だった。
正直、公表した結果も私自身の思い込みが含まれている可能性が大きい。
こういうのを知るとアンケート結果を鵜呑みにはできないなと感じる。
あくまで流れを読み取るくらいがちょうどいいと思う。
思ったことをつらつらと書いていたら文章が長くなってしまいましたね。
まあ、こんな事を裏では考えて動いていたってことで。

 

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