フェスティバルドジャポンって知っていますか? 「Festival do Japao(フェスティバル ド ジャポン)」が2014年7月4~6日の3日間、ブラジルのサンパウロで開催された。 このイベントは海外における日本文化を紹介するイベントとしては世界最大規模となる。 今年で17回目となり、来場者数は3日間で約18万人に上る毎年恒例の人気イベントである。 (近年知名度が高まっているフランスのジャパンエキスポは4日間で約23万人(2013年)) 当日の会場周辺では車の渋滞も発生し、最寄の地下鉄の駅から出る無料シャトルバスも大混雑となっていた。 当日券(12レアル=約550円)を買い求める長蛇の列も。 会場では、サンパウロにある各都道府県人会(各都道府県出身者の親睦や支援が目的の団体)のほか、日系企業や民間団体のブースが250以上並んだ。 各県人会のブースでは、寿司や焼きそば、お好み焼き、うどん、カレーなどの定番の主食から、サンマの丸焼き、天ぷら、漬物、さらにはイチゴ大福や団子、桜餅などの和スイーツまでも取り揃え、大賑わいとなった。 また、日本の大手企業や日系ブラジル企業の出展ブースでは、商品やサービスを一般消費者に直接アピールする絶好の機会として熱心に自社製品を紹介していた。 民間団体の出展ブースでは、日本ならではの文化をワークショップを交えながら紹介し、こちらも大盛況となっていた。 アニメキャラクターやそのグッズはやはり大人気。 外には櫓も立てられ、盆踊り大会も。 2か所設けられたステージでは数多くの団体によるパフォーマンスがひっきりなしに行われ、歓声が常に響き渡る。 2日目にはミス日系人を決めるイベントも。 大混雑で、歩いているだけですぐに疲れてしまうのだが、日本ならではのちょっとした心遣いも見られた。 休憩ゾーンには畳が敷かれ、自由に寝転がれる。 高齢者ゾーンが設けられ、お話会場や囲碁・将棋のコーナーなど、ゆったりと過ごせるように配慮されていた。 正直、想像をはるかに超えた人気ぶりだった。 海外で日本文化を紹介するイベントとしてはフランスのジャパンエキスポが有名で、フェスティバルドジャポンは日本であまり脚光を浴びていない。しかし、来場者数や現場で感じる熱気でいうと引けを取らないくらいである。 そして、最も大きな違いが、ジャパンエキスポがフランスの会社が主催しているのに対し、フェスティバルドジャポンの主催者は「日本人と日系人」という点である。 フェスティバルドジャポンを主催しているのは「ブラジル日本都道府県人会連合会」という各都道府県人会を取りまとめている組織である。彼らが1998年に始め、毎年努力を続けてくれたことが、これだけのイベントにつながっている。政治色もほとんどなく、日本らしさをイベント全体として表現できているのは彼らがいるからなのだ。 さらに言うと、彼らだけでなく日系移民の100年にわたる活動があるといっても過言ではない。ここでは移民について詳しくは取り上げないが、ブラジルにおける日系人は現在約160万人おり、彼らが築いてきた信頼のおかげで数多くの親日家を生み出し、ブラジルでの日本文化への関心を高めている。また、当日のイベントでも彼らの企画や警備、各ブースでの活躍があって初めて開催できている。 「日本人」が「日本」をストレートに伝えることができて、これだけの歴史と規模を誇るイベントは他にない。 その役割と背景がますます注目され、さらなる拡がりが出ることを願う。 サンパウロ フェスティバルドジャポン フェスティバルドジャポン2014 ブラジル 南米 文化を作る 日本を紹介するイベント 日本文化 2014-08-15 yohei Share ! tweet