SUSHIの未来

【JAPAN=SUSHI】

日本でも好きな食べ物ベスト5に入るであろう寿司だが、日本で思っている以上に世界中へ広まっている。
おそらく海外における日本の食文化の中で最もポピュラーな食べ物になっているだろう。
外国人と日本についての話題をするとほぼ間違いなく「SUSHI!!」という単語が出てくる。
もはやJAPAN=SUSHIというイメージになっていると言っても過言ではない。

そしてどの国に行っても必ず寿司屋はある。

寿司屋寿司屋

カナダやアメリカ、ブラジルではあちこちにあるし、ペルーやボリビアにだってある。
どこに行っても、何語で話してもSUSHIという単語はほぼ通じる。

【寿司からSUSHIへ】

そんなSUSHIだが、実際に海外で食べると日本の寿司とは少し異なることに気付く。

1、巻物がメイン

寿司屋

 

やはり生ものへの抵抗があるのか、ネタが少ないからなのか、純粋においしいからなのか、巻物が中心となりつつある。
しかも海苔がご飯の外側ではなく内側に巻かれるという何のための海苔なのかわからない状況になっていることも多い。
アメリカではカリフォルニアロール、フィラデルフィアロール、ニューヨークロールなど、アメリカの土地の名前が付いた巻物までも一般的になっている。

2、ネタの種類が少ない

寿司

 

日本のようにネタの種類は豊富にない。
マグロ、サーモン、エビが中心で、あとはイカやイクラを時々見るくらい。
それ以外のネタは珍しい。

3、シャリがパサパサしている

寿司

 

日本以外のお米はパサパサしているものがほとんどなので、仕方がないのか。
職人の握り方もだいぶ違っていて、お世辞にも「シャリがふんわりしている」といったおしゃれなコメントはできない。

上記の3点は場所やお店によってもちろん程度は異なるが、どれかは必ず当てはまるだろう。

ただ、ここで伝えたいのは、これらが良いか悪いかということではなく、「独自の進化を遂げ始めている」ということである。
日本の「寿司文化」が新たに「SUSHI文化」になりつつあるということである。

日本で食べるカレーがインドのカレーと違ったり、イタリアで食べるピザと違うのと同じことが海外で起きているのである。

【SUSHIの未来】

独自の進化を遂げつつあるSUSHI文化だが、寿司発祥の日本としてリーダーシップを取り続けるにはどうしたらいいのだろうか。
大きく2つの道があると考える。

○日本流を貫く
ー職人の美しい握り方を伝承し、お米やネタへのこだわりの大切さを伝える。

寿司

 

正直、日本の寿司に近いと思えるSUSHIを提供するお店はやはり人気が高い。
値段が高くても味のわかる外国人が足しげく通ってくれる。
あと、正直言って日本人がやっているお店というだけで十分箔がつくくらいで、やはり本物志向を持ったお客さんは外国でも相当数いる。
彼らをターゲットにあくまで本流を推進し、次第に一般的な味として定着するように活動することは十分未来がある。

○各国の好みや環境に合わせた進化を推し進める
ー前述のとおり、食べ物も独自の進化を遂げる物であり、良い悪いはないとの考え方を持って広める。

寿司

 

実はアメリカで人気のカリフォルニアロールも1970年代にカリフォルニアに日本料理屋をオープンさせた日本人が生の魚を食べる習慣がないアメリカ人に受け入れてもらえるように考案したのが始まりと言われている。
味覚や好みが違うのは当たり前で、生の魚が手に入りにくい地域や気候が保存に適していない地域も多くある。
寿司をベースとしたその国ならではのSUSHI文化をMade in JAPANとして作り上げるのである。

【今後の課題】

ここまでの論理は考えれば当然と言えば当然である。
しかし、現状その実行の部分で日本は行き詰っていると感じる。

旅をしていて感じるのだが、、
現在、SUSHI文化を最も推し進めているのは日本人ではない

特に前述の「各国の好みや環境に合わせた進化」という点では、中国人や韓国人の力を否定できない。
海外の街で見かけるSUSHI屋のほとんどは彼らがオーナーなのである。
例え日本語を話せる板前がいて、日本っぽい店作りをしていようとも、オーナーが誰か聞くと日本人ではないことがほとんどだ。
彼らは文化や環境に合わせ、より一般的に受け入れられるSUSHIを提供し続け、ビジネスとして広げているのだ。
「そんなの寿司じゃない」と言いたい人も多いかもしれないが、その土地で受け入れられたものが文化になるのは冷静に考えればわかることだろう。

 

SUSHIの発祥地である日本。
寿司大国としてもっとSUSHIの魅力を海外に広げ、ビジネスとしても成功させることができるのではないだろうか。

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